顧問挨拶

~NPO法人 日本医師事務作業補助研究会高知県支部のホームページ設立に寄せて~

2021年4月1日

 高知県支部顧問 堀見忠司

1.高知県支部設立のきっかけ

海外における医師事務作業補助者の歴史は、非常に長いものです。文献によれば、1920年代にはアメリカやイギリスで同様の職種がおり、診療録の記載などの外来診療などで不可欠の存在になっています。わが国では、2008(H20)年4月に医師事務作業補助体制加算が診療報酬制度で新設され、医師事務作業補助者が定着しました。そして2011年6月に「日本医師事務作業補助研究会」が設立され、初代理事長に金沢脳神経外科病院の矢口智子氏が就任し、同院に事務局が設置されました。2008(H20)年6月に、高知医療センターで医療秘書の名のもとに業務が開始されましたが、まだ研究会というレベルではありませんでした。私が、本研究会に触れたのは、2016(H28)年2月に石川県小松市で、テーマ「中小病院における医師事務作業補助者の活用」で開催された日本病院会中小病院委員会情報交換会に出席し、矢口智子理事長に初めてお会いして、その活動がこれからの医療に絶対必要なものであることを確信し、これをきっかけに高知に帰ってきてすぐに、この研究会の高知県支部設立(2016年8月10日)を始めました。そして2016(H28)年9月3日に、矢口智子理事長と金沢脳神経外科病院院長の佐藤秀次先生をお招きして、設立記念大会を施行致しました。そして初代の高知県支部長を門田美紀(細木病院)に就任していただき、昨年から2代目の杉村和香(もみのき病院)になり、本部と共同制作したホームページを開設していこうとしています。

2.医師から見た医師事務作業補助者はどのような存在か?

医師事務作業補助者の業務内容は診療報酬の施設基準により、4つの業務があり、①診断書や診療情報提供書など「医療文書の作成代行」、②電子カルテなど「診療記録への代行入力、③「医療の質の向上に資する事務作業」として、カンファレンスの準備、がんや外科手術の登録、そして④「行政への対応」として、厚生労働省などに報告する診療データの整理などが含まれていますので、これまで医師が時間外や術後の休憩時間に行われていた作業を代行してくれる極めて重要な職種となり、医師の過重労働の軽減や患者に割く時間が多くなるなど大きな福音になっています。

3.実務者に応援メッセージ(今後の期待)

医師事務作業補助者は、医師のいわゆる事務作業を担当し、日常診療に無くてはならない“女神”ともいうべき存在です。今後は、救急医療の当直、手術や回診などへの配属さらに、一定の給料、休暇、身分などの確立を含めた広い分野の部門となり、医師や薬剤師や看護師などの医療スタッフや事務職員との連携や調整に期待したい。