高知新聞「知って安心 くらしの医学メディカルチェック」
緩和ケアについて
もみのき病院 非常勤医師 麻酔科 田所園子
終末期や死に直結するイメージが強く、敬遠されることもあった緩和ケアですが、 今は治療の早い段階から、理想的には、がんと診断されたときから緩和ケアを受けることが
推奨されています。 身体的な苦痛(痛みやしびれ、息苦しさ、むくみ、倦怠感など)だけでなく、
「眠れない」
「治療がうまくいかず不安」
「病気になり何も手につかなくなってしまった」
「どうして自分だけがこんな目に遭うのだろう」
・・・といった 精神的なつらさも緩和ケアの対象です。
心身両面から患者さんを支え、がん治療中も伴走します。
「緩和ケアは痛みを取って楽にしてくれる所」という印象をお持ちの方が多い現状ですが、 痛みだけでなく、がんに罹患した方のすべての苦痛や不安が緩和ケアの対象であり、 緩和ケアの目的は患者さんの生活の質を改善・維持することです。
通院診療・入院・在宅で受けることができますので、ご希望の方は主治医に相談してみてください。 (令和2年9月8日掲載)