身近に潜む心臓病・心不全について

　近年日本では高齢化の進行に伴い、心不全を発症する方が増加してきています。 今度は毎年３０万人の方が心不全を発症すると推測されており、感染症の大流行になぞらえて「心不全パンデミック」と表現されることもあるなど、大きな社会問題になりつつあります。 心不全は、悪化した場合には命を落とす原因となることはよく知られています。
　また、命にかかわらないまでも、心不全による入院を繰り返すことで次第に体力や筋力の低下を来たし、自宅での生活が困難となっていくケースも存在します。一方で、早期に正確な診断を下し、適切な治療を開始することにより元気に自宅で生活できる場合もあり、やはり早期の診断・治療が重要です。８０歳以上の方の１０％に心不全を発症するという研究結果もあります。
「最近息切れがひどくなった」
「足のむくみが強くなった」
などの心不全を疑う症状があれば、「年のせい」と決めつけて様子を見ずに、一度病院で検査を受けることをお勧めします。（令和3年3月9日掲載）