もみのき病院

088-840-2222

文字サイズ

高知新聞「知って安心 くらしの医学メディカルチェック」

緩和ケア中に発生する脳疾患について

もみのき病院 院長 森木 章人(脳神経外科)

 世界保健機関(WHO)は1990年に緩和ケアを「生命を脅かす疾患に直面している患者とその家族に対するケアである」と定義しました。 これは緩和ケアが、終末期に限らず、より早期から提供されるべきものであるという立場を明確にしたものです。

  がんで緩和ケアを受けられている方が、突然半身まひや言語障害などの症状を起こすことがあります。がんになると全身の血液が固まりやすくなることが知られており、しばしば脳梗塞を起こします(トル―ソー症候群)。 また、がん患者の約10人に一人は脳転移を起こすとされ 肺がんに至っては4割程度に脳転移が見られます。 脳転移による半身まひなどの症状もしばしば経験します。 最近ではガンマナイフを中心とした定位放射線治療の進歩により、治療後に症状の改善が期待できるようになりました。 いずれの場合にも、頭部MRIなどによる正確な診断と迅速な治療の介入によって 症状の緩和を行うことが可能となりました。

(令和4年5月17日掲載) 

高知新聞メディカルチェックの目次へ


お問い合わせ

電話番号 088-840-2222
受付時間 平日8:30~17:30
     土曜8:30~12:30
問い合わせフォームへのリンク

サイト内検索