高知新聞「知って安心 くらしの医学メディカルチェック」
脳卒中を予防するには
もみのき病院院長 森木 章人(脳神経外科)
脳卒中とは、「卒」=突然、「中」=あたる つまり、「脳が何の前触れもなく突然何かにあたる」という意味です。別名中風ともいわれます。
脳卒中は現在日本人の死亡原因の第4位を占め、半身のまひや言語障害などの後遺症が残ったり、認知症を併発したりします。また、脳卒中は寝たきりとなる原因の第1位にもなっています。
最近目立つのは、食生活の欧米化により若年者に糖尿病や脂質異常症が増加し、その結果アテローム血栓性脳梗塞が増えていること、また人口の高齢化に伴い心房細動由来の心原性脳塞栓症が増加していることです。「高齢者における脳血管性認知症」も最近の大きな社会問題となっています。
脳卒中を予防するために、定期的な脳ドックの受診をお勧めします。特に自覚症状を認めなくても、脳ドックでは重大な脳血管疾患につながる病変が見つかることもあります。早期発見・早期治療により危険を避けることができる場合もありますので、健康寿命を延ばすためにも脳ドックを受診されてみてはいかがでしょうか。
(令和5年5月17日掲載)