高知新聞「知って安心 くらしの医学メディカルチェック」
冬場の血圧上昇にご注意ください
もみのき病院 医師 中嶋 安曜(内科)
二十四節気の立冬も過ぎ、本格的に寒さの到来する季節となりました。
冬場にはインフルエンザなどさまざまな病気が流行しますが、血圧の急な上昇による心不全などにも注意が必要です。
冬になり寒くなると全身の血管が収縮するため、血圧が上昇しやすいことが知られています。
また冬場は汗をかきづらくなったり、運動する量が減ったり、塩分の多いものを食べたりしやすいこともあり、ご高齢の方は10~30mmHg程度は血圧が上昇することが多いといわれています。血圧が数日くらい上昇したからといって体調を崩すことはあまりありませんが、高血圧が長期的に持続すると脳卒中や心筋梗塞などのリスクとなります。
また心臓の持病をお持ちの方は短期間であっても極端な血圧上昇により、特に夜間に急激に悪化する心不全を生じてしまうこともあります。
この季節は定期的に血圧を測定するように心がけ、血圧が上昇している場合には、早めにかかりつけの先生に相談してみるようにしましょう。