高知新聞「知って安心 くらしの医学メディカルチェック」
子どもの頭部外傷後の注意点について
もみのき病院 院長 森木 章人
子どもはバランス感覚が未発達のため転びやすく、頭部外傷を起こしやすいとされています。しかし軽症の頭部外傷では、検査や治療が要らない場合がほどんどです。全例において病院を受診する必要はなく、自宅でしっかり子どもの様子を見て、本当に受診するべきかどうかをチェックしてください。一過性でも意識消失やけいれんを起こした、顔色が悪い、嘔吐する、ぐったりとしてすぐ寝てしまうなどの症状があれば、病院受診が必要です。
これらの症状がある場合は、担当医師の判断で頭部CT検査を行ないます。検査を受ける上での注意点として、一回の頭部CTでの被ばく量は子どもの場合、1年間に外部被ばくする放射線量と同じくらいの放射線の影響を受けることになるため、適応を慎重に行なうことが大事です。
最近開発されたMRI撮影法「Bone Image MRI」は、被ばくの問題はなく、頭蓋骨骨折がないかどうか情報も得ることができるようになりました。
(R6.3.12掲載)