高知新聞「医療のおはなし メディトーク」
脳神経外科「脳卒中を予防して、認知症を予防しよう」
もみのき病院理事長 内田 泰史
認知症には、アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがありますが、単発での発症より、これらの複数が同時に発症することがほとんどです。
特にアルツハイマー病と脳血管性認知症は全く別のものではなく、互いに深く関連しています。 アルツハイマー病が認められる認知症高齢者の5割に、脳血管の著しい損傷が見られ、併発すると互いの症状を悪化させます。
脳卒中が起こると、特有の障害を及ぼすだけでなく、アルツハイマー病の素地をつくり、発症リスクを倍増させます。脳のある特定の部位に脳卒中が起きると、たとえ小さくてもアルツハイマー病のリスクが20倍にも増えることがあります。
アルツハイマー病の発症、進行を防ぐためにも、脳卒中の予防を心掛けましょう。脳卒中を予防するためには、高血圧と糖尿病を予防、改善しましょう。(H26.1.1掲載)