高知新聞「医療のおはなし メディトーク」
多発性転移性脳腫瘍に対するガンマナイフ単独治療について
もみのき病院 院長 森木 章人
現在、我が国の各種がんの治療ガイドラインでは、転移性脳腫瘍(がんが脳に転移したもの)の治療において、少数個(およそ4個以下)の脳腫瘍に対しては、ガンマナイフなどの定位放射線治療が勧められています。
最近ガンマナイフを有する日本国内23施設において多施設共同研究(JLGK0901)を行い、腫瘍個数4個以下、特に2~4個の症例を対照群として5から10個の症例に対するガンマナイフ単独治療の非劣性(同等であること)が検証され、その非劣性が証明されました。(医学誌Lancet
Oncologyに発表)。
この結果を受けて、今後は腫瘍個数が10個まで、(ただし総腫瘍体積15ミリリットル以下のもの)であれば、ガンマナイフ治療が積極的に治療対象となるものと思われます。がんの脳転移の治療にお悩みの方は一度ガンマナイフのある施設にご相談ください。
(H26.5.26掲載)