高知新聞「医療のおはなし メディトーク」
脳卒中の陰に不整脈あり 放っておくと怖い不整脈
もみのき病院 臨床検査技師 井上 尚子
病院や健康診断で「不整脈が出ています」と言われたことはありませんか?
年齢を重ねると誰でも少しずつ不整脈が増えます。ストレス、睡眠不足、疲労などでも不整脈は起こりやすくなります。 特に注意が必要なのは、心房細動、突然起こる動悸、失神症状が現れる不整脈です。 今回は心房細動についてお話しします。
心房細動が起こると、心臓内に血液の塊ができやすくなり、それが血液と共に脳に達して、脳梗塞を起こすことがあります。 不整脈には1日に数分しか起こらないものもあり、一回の心電図検査では診断できないことがあります。 この場合は、ホルター心電図検査という24時間の心電図検査が有効です。
ホルター心電図検査は携帯型の小型の心電図計を装着して1日を過ごします。 1日の不整脈の数や時間を解析し、症状との関連から診断・治療をしていきます。
心房細動を予防する薬や血液を固まりにくくする薬も開発されています。不整脈の原因を知り、その対策を取ることが脳梗塞の予防にもつながります。 (H27.1.掲載) (所属、役職は掲載当時のものです)