高知新聞「医療のおはなし メディトーク」
目まいの見分け方
もみのき病院 脳神経外科専門医 有光 誠人(診療部長)
① 朝起きたときに周りの景色がぐらぐらして、数秒間とても目を開けておれなかった。いったん落ち着いたので起き上がろうとしたらまた目が回った。耳鳴り、難聴はない 。
②長時間座っていた後に立ち上がろうとしたら、顔から血の気が引いて、ふらふらして気を失いそうになり、その場にしゃがみ込んだ。
③朝から体幹のバランスが取れず歩けない。まわりの人からしゃべり方もおかしいと言われるし、頭痛と吐き気が収まらない。
①は発作性頭位性目まい ②は起立性低血圧症 ③は小脳出血 という病気の経過です。
①と②は内服加療を中心として経過観察が可能な良性の目まいですが、 ③などに代表される悪性目まいは放置すると危険な状態なので、脳神経外科のある病院にいって頭部磁気共鳴画像装置(MRI)などの精密検査を行なって治療方針を決める必要があります。
(H27.3.掲載)