高知新聞「医療のおはなし メディトーク」
三叉神経痛のガンマナイフが保険適用に
もみのき病院 院長(脳神経外科)森木 章人
三叉神経痛は多くの場合、脳に栄養を供給している血管が三叉神経を圧迫することが原因で起こります。主な症状は、顔面の強い痛みです。痛みの特徴は突拍子もなく起こったり、食べたり噛んだりすると誘発される、冷たい水を飲むと痛みが走るなど、さまざまな動作で誘発される強い痛みです。そのため日常生活に支障を来してきます。
日本では、男性10万人当たり2.7~10.8人、女性では5.0~20.2人と、女性に多い疾患です。加齢による動脈硬化が原因とされ、65歳以上の高齢者に多い疾患と言われています。従来行なわれてきた治療法は、てんかん薬であるテグレトールなどの薬物療法、ブロック療法、手術(微小血管減圧術)の三つでした。微小血管減圧術は確立された治療法で良い成績が得られています。しかしながら、年齢や合併症などにより、この治療法の適応とならない場合もあり、また手術後の再発例も少なからず見られるのも事実です。
ガンマナイフでは神経が圧迫されている小さな部分に狙いを絞ってガンマ線を照射することによって、痛みの感覚をやわらげることができます。痛みがなくなるのは80~90%、内服薬も要らなくなる率は60~75%、ただし治療後痛みが良くなるまでには1~3ヶ月と少し時間がかかります。
平成27年7月1日より、三叉神経痛に対するガンマナイフ治療の保険が適用されるようになりました。保険が適用されるのは「薬物で十分な効果が得られなかった三叉神経痛」についてです。特に、ご高齢の方や手術後の再発例の場合にはガンマナイフ治療のいい対応となります。
ガンマナイフ治療については専門の医師にご相談ください。(H27.11.11.掲載)
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