高知新聞「医療のおはなし メディトーク」
肺がんCT検診のすすめ
もみのき病院 放射線科 部長 吉田 大輔
年1回の胸部単純エックス線検査により肺がん死亡率は30~50%減少するとされており、住民健診や職場健診で受けられている方も多いと思われます。 しかし、心臓や大血管と重なる領域での肺がんは見つけることが難しく、またそうでなくても早期の肺がんは胸部単純エックス線検査では不明瞭なこともしばしばあります。コンピュータ断層撮影(CT)はこういった部位の腫瘍も早期から明瞭に描出できる検査方法です。
厚生労働省による死亡率減少評価にはまだ証拠不十分な状況ではありますが、国内外での有効性の報告は多く見られており、任意型検診としてオプションで実施できる施設が増えてきています。放射線被ばくは単純エックス線検査よりも多くはなるものの、最近では低線量でのCT撮影が可能な機器を導入する施設も増え、更に専門知識を持った技師や医師が担当することで、適切かつ有効な検査を行えるようになってきています。
中高年齢者で肺がんが心配な方は一度ご相談ください。 (H27.11.11.掲載)