高知新聞「医療のおはなし メディトーク」
注意欠如・多動症について
もみのき病院 作業療法士 岡林美由紀
注意欠如・多動症は発達障がいの一つで、子どもの20人に1人に認められるといわれています。
症状は、うっかりミスが多い、気が散りやすい、忘れ物が多いなどの不注意症状、じっとしていない、過度なおしゃべりといった多動性、待つことができず、思いついたらすぐに行動してしまうといった衝動性の三つです。
これらの症状が、同年齢の子どもに比べて著しく、頻繁に見られます。
症状には個人差があり、親を困らせようとわざとしているわけではありませんし、育て方の問題でもありません。
症状は成長とともに軽減することもありますが、早期から能力に合せて環境を整え、適切な手助けをすることで、子どもは持っている力をより多く発揮することができます。
逆に症状を周りに理解されず誤解を受けたり叱られたりすることで、自信を失い精神的に不安定になるなどの二次障がいを引き起こすこともあります。
お子さんの発達で気になるところがあれば、発達相談窓口や医療機関などへご相談されることをお勧めします。 (H30.3.13掲載分)