高知新聞「医療のおはなし メディトーク」
白内障と緑内障について
もみのき病院 眼科 岡田 幸
眼科でよく聞く病名に白内障と緑内障があります。語感は似ていますが異なる病気です。
白内障は、目の中でピントを合わせる機能を持つ水晶体が濁ってくる病気です。多くは加齢によりかすみ以外に、グレアとハローと呼ばれる現象があります。例えば対向車のヘッドライトがにじんだり、光の輪が見える現象です。治療は進行を遅らせることを目的とした点眼薬もありますが、根本的には手術により混濁した水晶体を取り除き、眼内レンズに入れ替えることで視力が改善します。
緑内障は、視神経が障害され視野が狭くなる病気です。眼圧を十分下げることで、進行を抑制することができます。緑内障は白内障と違い、初期には自覚症状がありません。一度障害された視神経は元に戻ることはないので、早期発見し眼圧を下げることが重要です。
そのためには、40歳からは定期的に眼圧検査を受けることを勧めます。特に近視の方や、遺伝傾向もあるので血縁者に緑内障の人がいたら要注意です。
(H30.9.12掲載分)