高知新聞「医療のおはなし メディトーク」
転移性脳腫瘍治療のパラダイムシフト ~ガンマナイフの果たす役割について~
もみのき病院院長 森木 章人(脳神経外科)
がん患者10人に1人の割合で起こる脳転移。
以前は脳転移の有効な治療法がなく、脳全体に放射線治療(全脳照射)をしても、多くの患者の余命は3か月程度でした。延命効果が見られたとしても、全脳照射により脳委縮が進み、認知機能低下などの問題点もありました。近年の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などで代表される抗がん剤の進歩により、その常識が変わりつつあります。がんの種類に応じた、きめ細かい治療ができるようになりました。
そして、最新のガンマナイフなどの定位放射線治療装置を使って腫瘍部分に限局して放射線を照射すれば、脳転移を起こした腫瘍でも十分な治療効果が期待できます。しかも、これまでの治療法よりも事前の準備期間は短く、症状が悪化する前に治療を開始することもできるのが特徴です。がんの転移に対しては、ガンマナイフと最近の抗がん剤との併用が現時点での最適な治療法と考えられています。詳細についてはガンマナイフ設置病院担当医師にお問い合わせください。
(H30.11.13掲載分)
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