高知新聞「医療のおはなし メディトーク」
自閉症スペクトラムについて
もみのき病院 医師 三宅 典子(小児科)
自閉症スペクトラムの原因は、生来の脳の機能障害とされ、早ければ1~2歳で診断されます。
典型的な症例では、言葉が遅れる、名前を呼んでも振り向かない、親が「あれを見て」と指さした方を見ない、他の子どもに興味を示さない、こだわりが強く「いつもと同じ」でなければ癇癪(かんしゃく)を起こす、特定の音やにおい・光に敏感、初めての場所や体験は苦手といった特徴があります。症状が軽い場合は、学校や職場で人間関係がうまくいかなくなって気付かれることも多くあります。
重度の知的障害を伴う人から、世界に認められる研究者、定型発達児と区別がつきにくい人まで、年齢、重症度、環境、教育、受けている支援により症状の現れ方は異なり、個別に対応することが必要です。
気になる症状は健診などで相談し、早期に診断されることで特性に応じた必要な療育や支援が受けられ、暮らしやすくなります。
(令和1年9月11日掲載)