高知新聞「医療のおはなし メディトーク」
口から食べること
もみのき病院 看護部長 戸田かお里
「口から食べること」は、生命を維持すること以外に、食べる楽しさやその場の話が弾むことで、生きる力につながり、生活の質という面で重要です。
脳血管障害によって、「食べること」=摂食、「のみ込むこと」=嚥下(えんげ)に障害が起こることがあります。さらに、嚥下障害は、食物が気道に流れ込む誤嚥による肺炎(誤嚥性肺炎)が問題となります。
当院では、入院患者さんに医師や看護師、セラピストなど多職種からなる栄養サポートワーキングチームが摂食嚥下機能の維持・向上に向けて取り組んでいます。
病気によって嚥下障害が起こる以外に、嚥下機能は、一般的に40歳代から低下するといわれています。
加齢による嚥下機能の低下に対する予防法として、
「おしゃべりやカラオケ、適度な運動などで筋力を維持すること」、
「テレビを見ながら、スマートフォンを操作しながらの『ながら食事』をしない」、
「姿勢(椅子の場合)は足底を床に付け、やや前かがみで食事をする」
「食事の後すぐに横にならない」などを行うことが良いとされています。ぜひ日頃から取り組んでみてください。 (令和1年11月12日掲載)