ガンマナイフ 治療について
2020年10月より新機種 Icon(アイコン)稼働
脳腫瘍、脳動静脈奇形、三叉神経痛、髄膜腫などの治療に威力を発揮する「ガンマナイフ治療」ガンマナイフとは、ガンマ線という、X線よりもさらに波長の短い電磁波を脳内の病巣に当てて、破壊したり進行を抑えたりするものです。開頭手術ではありませんが、一点に集中させたガンマ線で、まるでナイフで切り取るかのように病巣を治療することができるため、このように名づけられました。
脳動静脈奇形、転移性脳腫瘍・髄膜腫・下垂体腺腫・聴神経鞘腫・松果体腫瘍・頭蓋咽頭腫・血管芽細胞腫・脊索腫・三叉神経鞘腫・神経鞘腫・悪性リンパ腫などの治療に用いられ、身体への負担も少ないことから注目されています。近年では三叉神経痛の治療にも保険が適用されるようになり、効果をあげています。
当院では、1998年の開院時よりガンマナイフ装置を取り入れており、5000例を超える治療を行ってきました。治療手順や、実際の治療実績については下記サイトでご覧いただけます。
高知ガンマナイフセンター(専用サイトへジャンプします)
ガンマナイフセンターのパンフレットはこちらからダウンロードできます。(約4.7MB)
ガンマナイフの原理
照射中のイメージ図 治療装置は、192本のガンマ線(X線よりもさらに波長の短い電磁波)がヘルメットの一点で集まるように設計されています。
一本一本の力は弱く、頭を貫通するときに組織へ影響を及ぼす恐れはありません。ところが焦点のごく狭い範囲にのみ、強力なエネルギーが発生し、脳腫瘍や脳動静脈奇形などの病巣を選択的に破壊することができます。
これまでは手術不可能とされていた深部の病巣にも適用できる画期的な治療法です。
新装置『Icon』(アイコン)の特長
マスク固定システムの導入
従来のフレーム固定システムに加えて、ガンマナイフでは初めての専用マスクシステムを導入。これにより、フレーム装着時の疼痛や術創を回避できるうえ、頭蓋骨欠損症例でも治療が可能となりました。照射位置を自動補正し、正確な照射を実現(正確性)
照射位置を実際の患者さんの位置に合わせて自動補正するシステム(コーンビームCT)を搭載しています。 コーンビームCT(CBCT)で実際の治療位置における頭部画像を取得し、治療前に立てた治療計画を、CT画像に合わせ込む形で補正し、正確な照射を実現します。体の動きをチェック、瞬時に照射を停止(安全性)
照射中は、患者さんの頭部位置を正確に捉え、赤外線で追跡するシステム(リアルタイムHDモーションマネージメントシステム)によって、患者さんの動きを監視します。設定範囲を超えて動いた場合は、瞬時に照射を停止し、正常組織への照射を防ぎます。治療適応の拡大
新たに導入されたマスクシステムにより、今まで治療が難しかった比較的大きな腫瘍や、脳幹、視神経などのリスクの大きい部位にも、分割照射による治療が容易になりました。 治療の幅が広がっただけでなく、より良い治療効果も期待できます。そして患者さん一人ひとりに合った、きめ細かい治療を行うことが可能になってことが大きな利点といえます。注意事項
頭部の固定方法は、一人ひとりの患者さんに応じて、医師が治療に最適な方法を選択いたします。そのため、従来通りのフレーム固定で治療する場合もあります。
適応疾患
- 脳動静脈奇形
- 脳腫瘍
転移性脳腫瘍・髄膜腫・下垂体腺腫・聴神経鞘腫・松果体腫瘍・頭蓋咽頭腫・血管芽細胞腫・脊索腫・三叉神経鞘腫・神経鞘腫・悪性リンパ腫など
- 機能的疾患 三叉神経痛 など
短期間の入院で、日常生活復帰
フレーム固定の場合のイメージ フレーム固定の場合は原則2泊3日の入院となります。マスク固定の場合は、分割回数に応じて3~7日間の入院となります。また健康保険が適用されており、治療費の面でも従来の開頭手術に比べて経済的です。
ガンマナイフについて更に詳しく知りたい方は下記のサイトをご覧ください。
高知ガンマナイフセンター