アルツハイマー型認知症 新薬「レケンビⓇ」発売にあたって
当院では、アルツハイマー病治療薬「レケンビⓇ点滴静注」の投与を開始しました。
本剤は厚生労働省が定めた「最適使用推進ガイドライン」を守って使用することとなっており、当院ではこの薬を安全・適正に使用できるよう 体制を整え、2024年3月より投与を開始しています。
「レケンビⓇ」(一般名:レカネマブ)治療についてのパンフレットを見る
「レケンビⓇ」について
「レケンビⓇ」(一般名:レカネマブ)は、「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」の効能・効果で製造販売承認を取得し、2023年12月20日にエーザイ株式会社から発売された新薬です。日本での販売はアメリカに次いで2か国目になります。アルツハイマー病の進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを実証し、承認されました。世界で初めて、かつ唯一の治療になります。
エーザイ株式会社の「レケンビⓇ」に関する発表資料(外部リンク)
・アルツハイマー病治療剤として12月20日に新発売
https://www.eisai.co.jp/news/2023/news202374.html
・臨床上の改善データを第16回アルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)において発表
https://www.eisai.co.jp/news/2023/news202365.html
本剤投与で効果が期待できる方は?
軽度認知障害の方と軽度のアルツハイマー病の方になります。
無症状の方、中等度以上のアルツハイマー病の方は投与対象外になります。
患者さんのご紹介については、当院地域連携室(電話番号088-888-2227)を通じて診察予約をしていただければ幸いです。
本剤の投与の有効性が期待できるかどうかは、投与前に当院で検査ならびに診察を受けていただいたうえでの判断となります。本剤の有効性が期待できない病状である場合や、禁忌にあたる既往歴がある場合は、他の治療を提案する場合がありますのでご了承下さい。
投与手順について
初診の際は、投与の有効性についての検査を受けていただきます。検査には他覚症状の聞き取りが必要なため、同伴者が必要です。検査の結果、有効性が期待できると判断された場合には、ご本人とご家族の同意のもとに、再診と投与のスケジュールをご案内いたします。
初診日の主なスケジュール(予約制になります)
初診日は、水曜日、金曜日の午後になります。初診日は検査のみです。投与開始は後日になります。
検査:頭部MRI、神経心理検査(MMSE, CDR)
かかりつけ医からの紹介状ならびに神経心理検査(認知機能検査)の結果がある場合は来院時にご持参ください。
検査結果のご説明後に、適応可能な場合は以下の追加検査を行います。
髄液検査(当院で施行)
または
アミロイドPET-CT検査の予約(高知大学附属病院、高知医療センター)
のいずれか。
投与スケジュールについて
- 追加検査も含めた結果が治療適応となり、同意が得られた場合には、1回目の投与開始となります(初診日より、およそ2週間後以降の予定)。
- 薬剤投与は点滴で行ないます。1回の投与は約1時間かかります(初回のみ3泊入院)。
- その後、2週間ごとに投与を行います。
- 4回目の投与後に頭部MRI検査を行います。その後も定期的に評価検査を行います。
- 最大の投与期間は原則として18カ月まで、投与回数は36回になります。
費用について
本剤の投与は医療保険が適用されます。
負担金額は各種条件によって異なりますので、詳細は下記までお問合せ下さい。
なお、高額療養費制度もご利用いただけますので、当院地域連携室にご相談下さい。
お問い合わせ先:医療法人治久会 もみのき病院 地域連携室
(受付時間)月~金曜日 9:00~16:00
088-888-2227(地域連携室 直通電話番号)