近視について
近視とは
近視とは屈折異常の一種で、遠方から目に入ってきた光が網膜より手前で像を結び、物がぼやけて見える状態です。
近視の原因
近視の原因は現在のところ、よくわかっていませんが、遺伝的な要素と環境が関係すると考えられています。勉強、読書、テレビ、コンピューターゲームといった近くを見る作業を長く続けていると、一時的に近視の状態になることがあります。(仮性近視)。しかし、これが近視の原因になるのかどうか、はっきりわかりません。
近視の矯正(眼鏡やコンタクトレンズ)
近視は治らないので、メガネやコンタクトレンズを使用して補います。近視になったからといって、すぐにメガネをかけなければいけないということはありません。黒板の字が見えないといった不都合が起こってきたときにメガネをかけてください。メガネは常にかける必要はなく、遠くをみるときなど必要に応じてかけるとよいのです。メガネをかけたり外したりしたからといって、近視の度が進むことはありません。
コンタクトレンズは、近視の度の強い人、左右の眼の度の差が大きい人、スポーツをやる人に向いています。しかし、慣れるまでに時間がかかる、異物感がある、角膜を傷つける場合がある、といった欠点があります。レンズの取り扱いが大変なので、小学生の間はメガネの方がいいでしょう。
20歳くらいまでは、近視の度が進むことがあります。1年に1回は検眼しましょう。
近視の治療
点眼薬を用いる治療法は、仮性近視の時期に行われることがあります。網様体筋の緊張をとって、眼の調整を休ませます。点眼後、一時的に近くが見えにくくなるので、就寝前に点眼します。
さいきんでは近視矯正手術が注目されていますが、人によって効果の差があり、適用外になる人もいます。手術は20歳以上の成人に対して行われています。矯正効果が弱くなる場合や、後遺症が残る場合もありますので、治療を受ける際には手術前に十分医師の説明を受け慎重に検討した方がよいでしょう。
目の健康管理
勉強や読書の時は、背筋をきちんと伸ばし、正しい姿勢を保ちましょう。目と本の距離は30cmくらいにします。30分近くを見たら、5分くらいは遠くの景色を見て、目を休ませましょう。テレビ、コンピュータも同じです。部屋は明るくして、机上は300ルクス、(蛍光灯のスタンドでは15~20ワット、白熱電球では60~100ワット)にします。
大部分の近視は病気ではなく、遠くが見えないだけの普通の目です。現代社会では近くを見る作業の方が多いため、近くがよく見える近視の方が有利な場合もあります。
しかし、近視以外の病気がかくれている場合もありますから、見えにくさを感じたら、眼科を受診しましょう。