脳梗塞
脳梗塞とは
脳梗塞とは、なんらかの原因で脳の血管が詰まり、脳細胞が酸欠状態になり、 脳細胞が死んでしまい、脳に障害をもたらす病気です。 脳の細い血管に血栓がつまって、その先に血液が流れなくなってしまう。それによって、脳の細胞に栄養や酸素が行かず、手足を動かす命令ができなくなってしまったり、言語に障害がでてしまう症状のことをいいます。
脳梗塞の種類
脳梗塞の種類を原因別に分類すると、大きく分けて次の二つに分類できます。
脳血栓: 動脈硬化によって脳の血管が細くなり詰まる
脳で動脈硬化を起こしてしまうと、血管の中が狭くなってしまいます。そのために血流が滞ってしまって、最終的に血栓ができてしまいます。それによって、その先の細胞まで血液を送ることができず、脳に障害がおきてしまう… それが、脳血栓(のうけっせん)です。
脳塞栓: 心臓や首の血管でできた血の塊(血栓)が脳血管まで流され、脳血管が詰まる
心臓やふくらはぎなどで作られてしまった血栓が、何かの弾みでポンと取れてしまうことがあります。そうすると、その血栓が、ス~ッと血液の流れによって全身へ流れていってしまう。もちろん、心臓やふくらはぎの血管は、脳の血管よりも太いわけですからできた血栓も脳の血管よりも大きいわけですね。だから、脳でつまってしまう… それが脳塞栓です。
脳梗塞のしくみ
脳は人間の身体の中でも大量の酸素(全体の約 20%)を消費します。 脳細胞は常に血液から酸素を受け取って呼吸する必要がありますから、脳血管が詰まり酸素が供給されないと、脳細胞はすぐに酸欠となり致命的な状態になります。
脳細胞は酸素不足に非常に弱く、5分程度の酸欠で壊死します。また、一度壊死した細胞の回復はほぼ不可能です。これが脳梗塞のしくみです。 しかし、壊死した脳細胞の周辺には、完全には死んでいない細胞や、機能が停止しているだけの脳細胞が残っていて、これらの脳細胞を少しでも回復させ、病状を軽くすることが脳梗塞の治療なのです。