もみのき病院

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脳卒中は再発しやすい病気です

脳卒中の年間再発率は約5%、つまり、1年間で、20人に1人の患者さんが脳卒中を再発するといわれています。 脳卒中を一度起こした人は、脳卒中を起こす下地となる生活習慣や病気などをもっているため、新たな脳卒中が起こる可能性が高いのです。 もし脳卒中が再発すると、最初の時よりも後遺症が重症になったり、新たな後遺症が加わったりしますから、再発を防ぐことはとても大切なことです。 

自分の血圧を知っておきましょう

 脳卒中の危険因子には、高血圧、糖尿病、心臓病や不整脈、高脂血症、喫煙などさまざまなものがあげられますが、この中で最大の危険因子は「高血圧」です。日頃から意識して血圧をチェックし、自分自身の血圧を把握しておくようにしましょう。 いつも同じ状態、同じ方法で測り、測定を続けることが大切です。毎日がベストですが、週数回でも継続することが大切です。そして測定した値は記録して、診察時に主治医に見せると、より適切な治療が受けられるようになります。

〈家庭で血圧測定される場合のポイント〉
  1. 朝の場合は、起床後1時間以内 晩の場合は、就床前
  2. 排尿はすませてから
  3. 1~2分の安静の後
  4. 食前、服薬前
  5. 心臓と同じ高さ
  6. 記録する

血圧の薬を飲まれている方は、主治医の指示がない限り、自分で判断して調節したり、中止したりしないようにして下さい。

急激な温度差は避けるようにしましょう

 寒い時期の発症率は暑い時期の1.5倍になると言われています。温かい場所から急激に寒い所へ移動すると、心臓に負担をかけることになったり、血圧が急上昇したりすることで、脳卒中を引き起こす場合があります。冬の間は、廊下や夜間のトイレ、お風呂の脱衣所などは小さな暖房器具で暖かくすると良いでしょう。

便秘に注意しましょう

 寒い時期のトイレは室温が低く注意が必要です。排便時にりきみ過ぎることで血圧が上昇します。特に、クモ膜下出血の20%が用便中に起きているといわれているため、りきみ過ぎないように注意が必要です。

ストレスをため込まないようにしましょう

 「ストレス」とは、心理的重圧や精神的動揺、過度の肉体的負担などのことです。特に、慢性的なストレスのある方は高血圧との関係が深く、真面目な完璧主義者では高血圧の人が多いといわれています。ストレスを受けない生活というのは難しいので、日常生活を工夫したり、気持ちの切り換え方を習得するなどして、「ストレス」を上手に解消することが大切です。

食生活に気を付けましょう

減塩 食生活の中では特に塩分が重要です。塩分の摂取量が高いと血圧が上昇することは、昔から良く知られています。
塩分は腎臓から排泄されますが、過剰に摂取すると血液中のナトリウム濃度が上がります。すると、その濃度を下げようと血液中の水分が増え、血液量が多くなり、血圧が高くなるのです。
 塩分を減らすと血圧が下がるのは明らかなため、ガイドラインでは1日6g未満が推奨されています。
 現在、包装食品の栄養成分表示は食塩ではなくナトリウム(Na)表示にするよう義務づけられています。Na表示の単位が「g」の場合、2.5倍すると食塩量に換算することができます。

お酒は適度な量を心がけましょう

お酒は適度な量であれば血圧を下げ、動脈硬化を防ぐ効果があるといわれています。逆に飲みすぎると、動脈硬化や高血圧、糖尿病など様々な病気を誘発します。イラストを参考に適度な量を心がけて下さい。酒量 

禁煙をしましょう

 タバコは交感神経系を興奮させるため、タバコを吸うと一過性に血圧が上がります。それだけではなく、タバコは脳卒中や狭心症、心筋梗塞発症の最大の危険因子であることがはっきりしています。禁煙を心がけるようにして下さい。タバコは百害あって一利なしです。

適度に運動をしましょう

 運動は血糖値や血圧を下げます。高血圧対策として好ましい運動は、散歩やジョギング、サイクリング、水泳、テニス、ラジオ体操など、有酸素運動と呼ばれるものです。身体の中の糖分や脂肪分を、酸素を使って分解してエネルギーとして用いる運動で、たとえば1日30分の早歩きを3か月ほど継続すると血圧低下の効果が現れてきます。無理をせず、駅の階段の上り下りや家の中の掃除など、日常生活のいろいろな場面で意識的に運動を取り入れる工夫をしてみましょう。

定期受診をしましょう

 動脈硬化、またその危険因子となる高血圧、高脂血症、糖尿病などは自覚症状がないまま進行します。症状がなくても、定期的に受診するようにしましょう。お薬は絶対に自己判断で中止してはいけません。特に、脳梗塞の方は抗血小板薬(血液をサラサラにし、血栓を出来にくくする薬)が大切ですので、処方されていれば、きちんと飲むようにして下さい。

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